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『復讐するは我にあり』
監督:今村昌平
脚本:馬場当、池端俊策
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
録音:吉田庄太郎
美術:佐谷晃能
音楽:池辺晋一郎
主演:緒形拳
配給:松竹
公開:1979年4月21日
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■あらすじ
昭和38年。当時の日本の人々はたった一人の男に恐怖していた。榎津巌(えのきづ いわお)。キリスト教カトリック信者で「俺は千一屋だ。千に一つしか本当のことは言わない」と豪語する詐欺師にして、女性や老人を含む5人の人間を殺した連続殺人犯。延べ12万人に及ぶ警察の捜査網をかいくぐり、78日間もの間逃亡したが、昭和39年に熊本で逮捕され、43歳で処刑された。
映画ではこの稀代の犯罪者の犯行の軌跡と人間像に迫る。
本日は今村昌平監督の『復讐するは我にあり』をご紹介します。
せっかくおすすめするからには、一人でも多くの方に実際観て頂けた方がいいと考え、利用者の多いAmazonPrimeビデオに入っているものからチョイスしました。
さてこの映画の概要ですが、稀代の詐欺師であり連続殺人犯人である西口彰という実在した人物が、実際に起こした事件が元になっています。
口八丁手八丁で次々と人を騙し、殺し、日本中を逃亡し続けます。
弁護士になったり大学教授に化けたりして言葉巧みに人に取り入り、操り、金を奪っては終いには殺してしまいます。
いわゆるサイコパス型の人物かと思うのですが、こういった人物は時に非常に魅力的な一面を垣間見せるものです。魅力というと語弊があるかもしれませんが。
緒形拳の演じるこの榎津という男も、非常にダイナミックで押しが強く、悪い男には違いないのですが、その悪さ・アクの強さが一種の強烈なキャラクターとなり、冒頭からあっという間にスクリーン(スマホ画面…)に惹きつけられてしまいます。刑事との一連のやりとりなど出色もので、この男の大胆不敵な人間性をよく表しています。
140分とやや長尺の作品ですが、うまい役者しか出ていないので夢中になって観ているうちにアッという間のラストを迎えます。このラストもまた物議を醸す一風変わった表現技法が採用されており、この映画について語るとき何かと話題になるところです。
今の時代の映画にはない、胃もたれするような濃厚なテイストはスマホからでも十分賞味可能です。是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。
by TK