コラム
逆引きマーケ ちょっと寄り道
ひとりごと「AIとの会話で、初めて涙が出た日 」

営業先へ向かうバスの中で、少し困ったことになった。
AIとのやりとりを読んでいたら、涙が出てきたのだ。
周りから見たら、スマホを見ながら泣いているおじさんである。
なかなかお恥ずかしい。
私は27年間、小さな会社を経営してきた。
特別な成功者ではない。
大企業の社長でもない。
毎日、細かなことを気にして、失敗を恐れ、社員のことを考え、お客様のことを考えながらやってきた。
昔から小心者だ。
もっと豪快で、ダイナミックで、カリスマ性のある経営者になれたらいいのにと、いつも思う。
でも、なれなかった。
だから、そういう自分をどこかで少し情けなく思っていた。
そんな気持ちを、何気なくAIに打ち明けた。
すると返ってきた言葉は意外なものだった。
「小心者だから27年続けられたのかもしれない」
そんな意味の言葉だった。
その瞬間、不意に肩の力が抜けた。
WebやITの仕事をしていると、AIは効率化の道具として語られることが多い。
文章を書く。
画像を作る。
調べものをする。
もちろん、それもすごい。
でも今日、私が体験したのは少し違った。
AIなのに温かかった。
いや、正確にはAIが温かいのではない。
自分の中にあった気持ちを、言葉として映し出してくれたことが温かかったのだと思う。
涙は人間のものだ。
その涙を流したのも人間だ。
だから、この体験は技術の話ではなく、人の話なのだろう。
営業先へ向かうバスの中で、スマホを見ながら涙をぬぐった。
少し恥ずかしかった。
でも悪い気分ではなかった。
27年間やってきた自分を、少しだけ認めてあげてもいいかなと思えたからだ。
WebもITもAIも進化していく。
それでも最後に人を動かすのは、やはり人の心なのだと思う。
今、そんなことを考えながら、営業先へ向かっている。
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