コラム
逆引きマーケ Vol.7 :
きれいなのに、記憶に残らない。

とある展示会のホームページを見ていました。
今はAIで、見栄えの良い写真は数分で作れてしまいます。
コーヒー。
パン。
笑顔。
フルーツ盛り合わせ。
どれも美しい。
でも、数分後には、その画像を思い出せませんでした。
なぜだろう。
どれもきれいにまとまっている。
でも、私は少しだけ寂しい気持ちになったのです。
なぜ、時々AIの画像に寂しさを覚えるのだろうか……。
私もAIを毎日のように使っています。
アイデア出しにも、文章にも、とても助けられています。
このコラムのサムネイル画像もAIです(笑)。
AIを否定するつもりは、まったくありません。
昔は、一枚の写真を撮るために、
カメラマン
デザイナー
コピーライター
クライアント
…
みんなで集まり、「何を伝えるのか。」を何時間も議論しました。
つまり、写真や画像ではなく、「意味」をつくっていた。
今の子どもたちや学生は、AIがごく当たり前の日常の中で育っていきます。
それは、とても便利で素晴らしい時代です。
だからこそ、私は時々考えます。
これからのクリエイターに、本当に必要な力とは何だろう、と。
AIは、「きれい」をつくることは得意です。
でも、
「なぜ、これを見せるのか。」
「誰に届けたいのか。」
「見た人に、どんな気持ちになってほしいのか。」
そこは、人間が考えなければなりません。
だから私は、若いクリエイターほど、カメラの技術より、Photoshopの技術より、
人を観察する力。
クリエイティブの目的を考える力。
一つのものづくりに心を込めること。
そんな力を大切にしてほしいと思っています。
マーケティングとは、「きれいな画像をつくること」ではなく、
「伝えたい意味を設計すること」だと思うのです。
AIは画像をつくります。
でも、「伝わる理由」までは、つくってくれません。
これからの時代ほど、デザインより先に、写真より先に、コピーより先に、
「その画像で、何を伝えたいのか。」
という問いを持つことが、人間の仕事なのだと思います。
技術は進化します。
でも、人の心が動く理由は、昔も今も、きっと変わりません。
技術が進歩するほど、人間らしさは、むしろ希少になっていくのかもしれません。
私はAIの世界が、人間らしさを失う世界ではなく、
人の想いや温もりを、これまで以上に大切にする世界になってほしい。
そんなことを、ふと思いました。
辻 正雄
デジタジオ株式会社(ビジコン運営)代表
株式会社アーティストユニオン代表
経営者に寄り添うマーケター:マサオフィス
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