お問い合わせ

コラム

逆引きマーケ

逆引きマーケ ちょっと独り言
花を持たせる人の、少しだけ切ない話

若い頃は、「自分が前に出たい」と思っていました。

アイデアを出したら、自分が説明したい。
成果が出たら、自分が評価されたい。

そんな気持ちは、誰にでもあると思います。

ところが歳を重ねると、不思議と少し変わってきます。

今度は、自分ではなく、誰かに前へ出てもらいたい。

「あの人が話した方がいい。」
「今回は彼が発表した方がいい。」
そんなことを自然に考えるようになります。

私は、それを勝手に「花を持たせる」と呼んでいます。

ところが、花を持たせるというのは、意外と難しいものです。

前に立つ人は、もちろん一生懸命です。
だから悪気はありません。

でも、ときどき、その花が誰の手で育てられたのか、忘れてしまうことがあります。

もちろん、私も「私が育てました」と言いたいわけではありません。

ただ……「一緒につくった人を語って欲しい。」

その言葉は、必ず自分を輝かせます。
その言葉で、人はまた頑張れるものなのだと思います。

もっとも、こんなことを書いている私自身が、まだまだ未熟です。

「気づいてほしい」と思ってしまう。
「少しくらい認めてほしい」と思ってしまう。

そんな自分を見つけるたびに、「ああ、まだ修行が足りないな。」
そう思います。

私は仕事柄、「マーケティング」を考えることが多いのですが、組織にも似たようなことがある気がします。

人は、お金だけでは動きません。
評価だけでも動きません。

「あなたのおかげです。」
その一言で、人は驚くほど力を発揮します。

だから私は、「称える」ということも、一つのマーケティングなのではないかと思っています。

人の心を動かす、一番お金のかからないマーケティング。

それは、人を認めること。

いつか私も、本当に花を「持たせられる人」になりたいと思います。

そして、その花が誰の手で育てられたのかを、自然と言葉にできる人でもありたい。

そんな人がいる会社、組織は少しだけ温かくなる。

最近、そんなことを考えるようになりました。

辻 正雄
デジタジオ株式会社(ビジコン運営)代表
株式会社アーティストユニオン代表
経営者に寄り添うマーケター:マサオフィス

一覧へもどる
COLUMN
COLUMN
details