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Newsスタッフコラム
今回紹介する書籍は
宮城谷昌光『太公望 上・中・下』
羌という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。
年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。
商王を殺す―。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。
少年の名は「望」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。
中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作。
太公望と言えば「封神演義」などに書かれているような老人を良くイメージしますが、この作品では知勇兼ね備えた若い武人・革命家として描かれています。
少年時代に商の受王によって一族を喪い、初めは商王への個人的な復讐を誓いますが、やがて商帝国を滅ぼし理不尽の連鎖を断ち切ることを目指すことになります。
作品全体を通じてただひたすらに天才軍師太公望を描くのではなく、恋愛に疎い面や、仲間思いの面など人間味のある人物像がとても魅力的に書かれています。