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おすすめ本『蘭陵王』

今回紹介する書籍は
田中芳樹『蘭陵王』

三国志の時代から三百年後の、六世紀の中国、南北朝時代と呼ばれる動乱の世。
北斉は無能な皇帝の乱脈を極めた統治のもと、西に北周、南に陳、北に突厥と三方を強敵に囲まれていた。
北斉の若き皇族、蘭陵王こと高長恭は、若く高潔で勇猛な武将でありながら、そのあまりの美貌ゆえに士気を下げまい、敵から侮られまいと仮面をつけて戦場にたったと言われる。
彼は智勇兼備、不敗の名将であり、傾きかけた国を必死でささえていた。
歌にもなるほどの伝説的な勝利をも得たが、武勲をあげつづけるがゆえに、やがて皇帝から忌避されるようになっていく。

この本は舞楽や管弦の「蘭陵王」のモデルになった人物の物語です。
この人物は顔も美しく戦にも強く清廉潔白という、ある意味人間離れした人物であったため、王からの嫉妬で悲劇的な最期を遂げることになります。
南北朝時代とあまりなじみのない時代の話ですが、語り部に少女を登場させ彼女の視点から、噛み砕いて歴史を見せているので、難しさはそれほど感じさせません。