コラム
自分が欲しいツールを自分で作る
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OpenAIのGPT-6 AstraやAnthropicのFable5.1など高性能なフロンティアAIモデルにより、「自分が欲しいツールを自分で作る」ということが、以前よりずっと現実的になってきました。
最近では、『イース』や『世界樹の迷宮』などのゲーム音楽で知られる作曲家・古代祐三さんが、長年思い描いてきたFM音源の制作環境をAstraとともに短期間で形にしたことを紹介していました。
また、電子楽器やロボットを使った独特の作品で知られる芸術ユニット・明和電機も、販売終了した90年代のMIDI打ち込みソフトを再現し、さらにロボット制御用の機能まで追加したと投稿しています。
また、少し前に元Juice=Juiceのメンバーで、現在はソロで活動する歌手・宮本佳林さんが、生成AIを使って自身の配信用システムを作ったことも話題になりました。
こうした事例に共通しているのは、必ずしも全員がソフトウェア開発の専門家であるわけではない一方、それぞれの分野について「何が必要なのか」「どこが使いにくいのか」を判断できることです。
コードを書く技術をAIに補ってもらうことで、自分自身の専門知識や経験をツールとして形にできるようになってきたとも言えます。
これは個人だけでなく企業でも活用できる考え方です。
既製の業務システムでは拾いきれない、特定の部署や担当者だけが抱えている細かな作業を、小さなツールとして効率化できる可能性があります。
従来なら開発を依頼するほどではなかった用途でも、現場自身が試作するという選択肢が加わります。
一方、企業では注意も必要です。
社員がそれぞれ勝手にツールを作れば、機密情報の扱いやセキュリティ上の問題に加え、似たツールの乱立、担当者しか仕組みを理解していない状態、退職後に誰も保守できないといった問題も起こり得ます。
利用するAIやデータの扱い、レビューや共有の方法など、会社側で一定のルールや環境を整える必要もあるでしょう。
生成AIによって、既製品を使う、外部に開発を依頼するといった従来の方法に加えて、「必要なものを自分たちで作る」という選択肢が現実的になりつつあります。
これは生成AIの進化がもたらした変化の中でも、かなり大きなものではないかと思います。